混合診療とは、1つの病気の治療に対し、保険診療と自由診療を併用することをいいます。混合診療はごく一部の治療を除き、現在法律で禁止されております。併用した場合には本来保険診療となる治療もすべて自費診療になります。
この事を悪用するクリニックが散在しております。
眼瞼下垂の治療の際、驚くような体験をなさった患者様が少なかれ来院されました。
その内容をご紹介いたします。
- 手術前のカウンセリング時には保険診療になると説明。この際自費診療になる可能性は説明しない。
- 実際手術をしている最中に(!)、
「思ったより脂肪が多いですね〜。
脂肪を取るのは保険診療では行えないので自費診療になります」と説明し始める
- さらに(手術中に!)、
「通常保険診療では4万円ほどですが(挙筋前転法の場合)、自費診療になりますので30万になります。」
このやりとりの問題点
- 手術前に、その手術が保険診療か自費診療(美容手術)かを判断出来ないはずは無い。
もし本当に判断出来ないのであれば、その医師は診断能力が低いと言わざるを得ません。
- 保険診療の安い治療費をエサにして手術に持ち込み、実は自費診療の手術を行うことを目的にしている。
- 手術中はただでさえ患者様は不安であり冷静な判断が困難な状況下であり、この状況を悪用して値段を上げる。手術前の説明であれば患者様が色々調べて自費診療を断る可能性があるため、このような卑劣な方法で最終的に自費診療にさせる意図が見える。
- そもそも保険診療である挙筋前転法(いわゆる信州大方式の場合)には、余剰脂肪の除去は通常施行され、当然手術代に含まれています。
悪いのは保険診療で眼瞼下垂の手術が出来ると偽って(エサ)、自費診療の手術にしてしまう手口が卑劣であるのです。正直に初めから自費診療と説明すべきであるとの意味です。
対策
- 手術前に保険診療で行えるのか自由診療(自費)になるのかをきちんと確認しましょう。
さらに手術中に保険診療から自費診療に途中で変わる可能性があるかも聞いたほうが良いでしょう。変わる可能性ありとの返事の場合には、その理由もきちんと説明してもらってください。
(可能性ありとの返事の場合には、断ったほうがよいと思いますが、、、)
- それでも手術中に保険診療から自費診療への変更を言われた場合には勇気を持って質問、抗議してください。
その際、返答は文書で書いてもらったほうが後の交渉の際に良いと思います。
このような事を平気でしている医師が本当にいるのです。十分ご注意くださいませ。
たとえば問診時に皮膚の良性腫瘍と判断して手術を行ったが、病理結果(顕微鏡検査)で、実は悪性腫瘍であったという場合があります。このような場合は予定の値段より高くなります。厚生労働省の値段の設定により、悪性腫瘍のほうが治療費が高くなるためです。逆に悪性腫瘍と思っていたが実は良性腫瘍であることもあります。
この場合には逆に安くなるので差額が返金されます。